教員紹介

古田雄一

ふるた　ゆういち

Yuichi Furuta

経歴

東京大学大学院教育学研究科修士課程、筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程修了。大阪国際大学短期大学部専任講師、同准教授を経て、2022年4月より現職。

研究分野

教育政策学、教育経営学、シティズンシップ教育論、生徒参加論、現代アメリカ教育改革

研究テーマの概要

    シティズンシップ教育（市民性教育）、子どもの声や参加、アメリカの現代教育改革などに関心をもち、主に日本とアメリカをフィールドにした研究をしています。それらを貫く問題関心は、生徒の参加や市民性育成、排除と包摂、公正や社会正義といった視点を軸に、子どものウェルビーイングと民主主義社会の実現に向けた教育政策や学校教育のありようについて、国際比較も取り入れながら明らかにしていくことにあります。
    これまで取り組んできた個人研究では、アメリカ貧困地域の子どもが置かれてきた市民性教育の格差に焦点をあて、その政策的・環境的要因について包括的な解明を試みるとともに、そうした格差を是正すべく多様なアプローチで展開されてきた市民性教育改革の特質を明らかにし、それらの成果を単著にまとめました（『現代アメリカ貧困地域の市民性教育改革―教室・学校・地域の連関の創造』東信堂、2021年）。
    現在は、生徒の声や参加に基づく学校改革、教育行政・政策への子どもの意見表明・参加、子どもの市民性を育む学校教育のメカニズムやそれを支える教育政策などに関する研究を進めているほか、教育実践・政策等の現場との協働やアクション・リサーチを通じた知見の往還も目指しています。

主要著書・論文

著書

・古田雄一（2021）『現代アメリカ貧困地域の市民性教育改革―教室・学校・地域の連関の創造』東信堂。
・荒井文昭・大津尚志・古田雄一・宮下与兵衛・柳澤良明（2023）『世界に学ぶ 主権者教育の最前線―生徒参加が拓く民主主義の学び』学事出版。
・苫野一徳監修、古田雄一・認定NPO法人カタリバ編著（2022）『校則が変わる、生徒が変わる、学校が変わる―みんなのルールメイキングプロジェク　　
　ト』学事出版。

論文

・古田雄一（2023）「アメリカにおける「学校風土」調査に基づく学校改善とアカウンタビリティ政策の展開―シカゴ学区における児童生徒への質問紙調　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　査の活用事例を中心に―」『日本教育政策学会年報』第30号、144-160頁。
・古田雄一（2021）「教育経営における「生徒の声」の意義と課題―近年の国際的動向の検討と考察をもとに―」『日本教育経営学会紀要』第63号、19-
    34頁。
・古田雄一（2020）「アメリカにおける学校全体の市民性教育の評価と改善支援の試み―「イリノイ・デモクラシー・スクール」の事例から―」『学校経
    営研究』第45巻、43-56頁。
・古田雄一（2016）「社会変革への効力感を育む市民性教育―アメリカの「パブリック・アチーブメント」を事例として―」『公民教育研究』第23
    号、53-67頁。
・古田雄一（2016）「現代アメリカにおける市民性形成の格差の政策的背景―1990年代以降の州および連邦政府による関連政策の分析を通して―」『学
    校経営研究』第41巻、60-81頁。
・古田雄一（2015）「アメリカの貧困地域の学校におけるシティズンシップ教育の意義と可能性―「パブリック・アチーブメント」の導入事例の分析を通
    して―」『日本教育経営学会紀要』第57号、110-124頁。

所属学会、その他の研究活動

所属学会：

日本教育学会、日本教育経営学会、日本教育政策学会、日本教育行政学会、日本公民教育学会、日本社会科教育学会、全国社会科教育学会、日本学習社会学会、日本高校教育学会、アメリカ教育学会

受賞：

日本教育経営学会 学術研究賞（2021年）

担当授業

人間学群教育学類：教育行政論、教育行政論演習、学校の経営・制度・社会（オムニバス）　ほか
教育学学位プログラム前期課程（教育基礎科学サブプログラム）：教育政策学演習、教育政策学特講
教育学学位プログラム前期課程（次世代学校教育創成サブプログラム）：教育政策と学校改革
全学教職課程：教職論Ⅰ・Ⅱ