
國分麻里
職位 | 教授 |
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専門研究領域 | 社会科教育、歴史教育、朝鮮教育史 |
取得学位 | 博士(教育学) |
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個人ホームページ | https://trios.tsukuba.ac.jp/researcher/0000001453 |
学生への一言 | 私が大学で一番好きな場所は中央図書館1階(地下)です。東京教育大学所蔵の戦前・戦後資料がたくさんあります。独特な静けさと涼しさの中で、ひと時、過去との対話をしてみてください。 |
経歴
筑波大学大学院人間総合科学研究科博士課程学校教育学専攻(社会科教育)修了
研究分野
社会科教育、歴史教育、近代朝鮮教育史、韓国、ジェンダー
研究テーマの概要
研究分野の中で、ここ数年特に関心を持って研究・活動を進めるのは以下の4つです。
1点目は、社会科教育とジェンダーに関する研究です。日本の中学校・高校において、社会科(地理歴史科・公民科)の女性教員は多くありません。また以前より増えてはいますが、社会の半数を占める女性の姿が社会科教科書にたくさん描かれているとは言えません。なぜ社会科に女性教員が少ないのか、またそのことが今の日本社会の現状や問題とどのような関係があるのかなど、社会科教育自体の枠組みも含めて社会科教育とジェンダーの関係に大きな関心を寄せています。こうした問題意識から『女性の視点でつくる社会科授業』(学文社、2018)の編集に携わりました。2022年度も続編を刊行する予定です。
2点目は、日本と韓国の大学生交流とその認識に関する研究です。近年、近代の歴史認識をめぐって政治・外交上で日韓関係は難しい時期を迎えている一方で、映画やk-popなど韓国に関心を持つ人々も今までになく増えています。こうしたことから、これまで以上に相手国を知り、民間交流を積極的に進めていく必要性を感じています。今後は、大学生同士のいかなる交流により、どのような認識変化があるのかなどを学術的に調査する予定です。加えて、「境界」「地域」「人物」などを軸に、日韓を中心とした東アジアの視点からの歴史教材および授業を考えています。
3点目は、茨城県を中心とした戦前・戦後の新教育および社会科教育の研究です。1945年の敗戦以後、茨城県でも新教育が進められました。特に1947年より開始されたSocial Studiesは社会科と命名され、教科の中心として華々しく登場しました。問題解決学習と経験主義を基礎として多くのカリキュラムや実践が生まれ、茨城もその流れの中にありました。特に、私は水海道市(現在常総市)の水海道小学校の教材映画を中心とした初期社会科実践に注目しています。これまで書いた論文を踏まえて、今後は整理していく予定です。
4点目は、近代朝鮮における朝鮮人児童生徒の生活や学びの実態の研究です。以前は植民地期の朝鮮半島における歴史学習を探るために韓国での地域調査を行っていましたが、朝鮮戦争で史資料が燃えたり散逸したりして、70年以上の月日が経つとそうした史資料にはなかなか出会えませんでした。しかし、調査時に各学校で出された学校100年史や学籍簿など様々な史資料に触れる機会があり、植民地下での朝鮮人児童生徒の学校生活やそこでの学びに大きな関心を持っています。
主要著書・論文
・高吉嬉・國分麻里・金 玹辰編 『交流史から学ぶ東アジア-食・人・歴史でつくる教材と授業実践-』 明石書店、 2018。
・江口勇治監修、井田仁康・唐木清志・國分麻里・村井大介編 『21世紀の教育に求められる「社会的な見方・考え方」』 帝国書院、2018。
・升野伸子・國分麻里・金 玹辰編 『女性の視点でつくる社会科授業』 学文社、2018。
・金漢宗著、共訳 『韓国の歴史教育-皇国臣民教育から教科書問題まで-』明石書店、2015。
・共訳 『日韓でいっしょに読みたい韓国史-未来に開かれた共通の歴史認識に向けて-』 明石書店、2014。
・國分麻里 『植民地期朝鮮の歴史教育-「朝鮮事歴」の教授をめぐって-』 新幹社、2010。
所属学会、その他の研究活動
日本社会科教育学会、全国社会科教育学会、朝鮮史研究会、教育史学会など。
担当授業
【学部】
中等社会・地理歴史科教育法Ⅱ(教職)
社会科歴史指導法(教職)
アジア教育史
アジア教育史演習
教育学研究法A(文献研究)
【大学院】
歴史教育特講・演習(博士前期)
社会科教育学内容論・実践論(地理歴史)(博士前期))
歴史教育学研究(博士前期)
社会科教育学研究法ⅠⅡ(博士後期)
教育学特論ⅠⅡ(博士後期)