ご挨拶(人間総合科学研究科 博士前期課程 教育学専攻 専攻長 藤田 晃之)
筑波大学大学院人間総合科学研究科の教育学関連の博士課程は、2008年4月より、前期・後期区分制博士課程として新たなスタートを切りました。
それまで本学の教育学関連の博士課程は5年一貫制でした。平成13年に旧教育学研究科が人間総合科学研究科に統合されると共に、教育学専攻、学校教育学専攻及びヒューマン・ケア科学専攻共生教育学分野が設置され、教育に関する研究者養成の教育組織として多くの研究者を輩出してきました。これら2専攻と1分野を統合することにより、高度化する知識基盤社会に対応する学際的性格を強化し、より協力的に研究活動と教育活動を展開できるようにするために、改組・再編して人間総合科学研究科教育学専攻(博士前期課程)が設置されることとなったのです。
今日、多様化・複雑化する現実の教育諸問題や現代社会が求める広範な教育的課題を、教育の理論と実践の両側面から多角的かつ科学的にとらえ、社会に貢献できる実践力や研究能力を有する人材が求められています。
そのため、新しい教育学専攻では、教育学の幅広い高度な知識と技能を修得するとともに、教育学の理論と実践とを統合した新しいカリキュラムと教授法の下で、教育の本質と現実的課題を問い続ける研究姿勢と基本的な研究方法、時代の要請に応える実践力を身につけた教育学研究者の育成を目指します。
5年一貫制とは異なり、まずは2年間前期課程で学んでから、後期課程に進むかどうかの進路選択をすることができます。教育学に関する後期課程(3年制博士課程)としては、教育基礎学専攻、学校教育学専攻、ヒューマン・ケア科学専攻があります。
新しい教育学専攻は、教育学の基礎的な学問分野によって構成される教育基礎学領域、応用的な学問分野によって構成される学校教育学領域、そして学際的な学問分野によって構成される共生教育学領域をもちます。それぞれの領域が、本専攻のコースを構成します。
専攻の目的を達成するために、次の目標を設定しています。
目標1:教育の本質論を核として展開した教育学を体系的に理解すること
目標2:教育の現実的課題を探求する方法論を修得すること
目標3:主たる専門分野の開設科目を履修することにより、専門分野に関する知見を深め、併せて、関連する専門分野に関する理解を深めること
以上を目標として、入学生が全員修士号を取得し、研究能力を身につけて後期課程に進学することを到達目標としています。
意欲ある皆さんが教育学研究の場に加わってもらえることを期待しています。
人間総合科学研究科 博士前期課程 教育学専攻専攻長
藤田 晃之
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専攻の特色
教育学専攻は、これまで、5年一貫制の博士課程であった、人間総合科学研究科の教育学間連の博士課程を再編して、新たに設置された前期・後期区分制の博士課程の、博士前期課程です。
教育学研究には、多様化・複雑化する教育問題や現代社会が求める広範な教育的課題を、理論と実践の両側面から追求し、社会に貢献できることが、今、強く求められています。
本専攻では、こうした課題をふまえ、教育学研究に関する基礎的な学習、幅広い研究方法論の学習、そして、充実した研究指導の中で、国際的にも通用する教育学研究の力量を形成することを目的としています。また、そのために、研究者や院生間の知見の交流や、研究分野の枠を超えた研究指導体制の整備を積極的に行っています。
教育課程の特色
教育内容の特徴
専攻基礎科目
基礎的な科目を「教育学セミナーⅠ~IV」として開講します。
専攻の研究分野の横断的な基本的テーマの教育を行います。
専攻共通科目
研究方法論を広く学修する授業です。
教育学研究方法論A(文献研究)、教育学研究方法論B(実験・観察・フィールドワーク)などがその内容となります。
専門科目
各専門研究分野に関する特講と演習を開講します。
研究指導体制の特徴
研究指導体制の特色としては、研究者や院生間の知見を交流するために、研究分野や研究コース内での研究会やゼミの枠を広げて、
学際化しつつある研究者や院生の研究需要に応えられる指導体制を構築しています。
研究指導に当たっては、院生が所属する研究室の研究会・ゼミ等の年間指導計画を広く公表したり、関連する研究分野の研究者や院生が自由に参加することのできる体制を整えるなどの工夫を凝らしています。
また、修士号取得のために、研究指導体制の特色を生かしつつ、第2学年の6月と9月に中間指導会を実施して、院生の論文作成へのしっかりとしたサポートを提供しています。
取得できる学位
本専攻では、所定の単位修得し、修士論文を提出することで、修士号が取得できます。
取得できる教員免許状
本専攻の課程を修了することにより、中学校・高等学校教員及び養護教諭、栄養教諭の専修免許状を申請することができます。