教育学学位プログラム(後期)

研究室紹介

教育哲学

教育哲学

担当教員

准教授 平井 悠介 ひらい ゆうすけ HIRAI Yusuke

沿革と概要

教育哲学研究室は、ギリシア教育史研究の石山修平教授、ジョン・デューイ研究の大浦猛教授によって受け継がれてきた東京教育大学教育哲学研究室を前身としている。以後も、教育の事象と問題を根底にまで遡って探求するその学風を一層発展させ、今日に至っている。
現代教育哲学の宮寺晃夫教授、ソクラテス・プラトン哲学研究の米澤茂教授のあとを受け、現在、現代教育哲学を専門とする平井悠介准教授が、現代社会における教育のあるべき姿を学問的に探求している。現代英米圏のシティズンシップ教育理論、および民主主義的教育理論を社会的平等の観点から分析したこれまでの研究を、近代教育批判の文脈のなかに位置づけ、自由と平等をめぐる近代教育のアポリアの克服を展望している。

所属院生とテーマ

川村雄真(後期2年) 徳倫理学に依拠した道徳発達モデルの再構築

香川圭(後期2年)  フェミニスト現象学の視点からの市民性教育論の再考

石鍋杏樹(後期1年) デイヴィッド・アーチャードの教育思想と教育における公私区分論の問い直し

研究室活動の特色

教育哲学研究(教育思想・理論研究)において重要なことは、思想家・理論家の思想対象を明確化し、それが現代の教育のあり方を考察する上でいかなる意義を有するかを認識していくことである。そのため、研究室の大学院生には、テキストを正確に読解する力はもとより、事象を多面的に分析し、総合的に思考する力、さらには自らの思考を表現し、他者とともに議論する力が求められる。これらの力を研究会や論文指導を通じて身につけ、自らが設定した研究テーマを深める研究活動となっていく。

学生へのアピール

筑波大学の教育哲学分野には、教育思想・教育理念の探究を主眼に置きながらも、教育事象を根源的に追求し、そこで生じている人間形成的課題、および社会的課題の解決を目指す研究意識が存在している。

教育哲学を志す者は、自己の研究を教育のみに限定してはならない。教育という営みを真に理解しようとすれば、教育が現に行われている社会のあり方やあるべき社会の考察は不可欠であろう。また、どのような教育を目指すかを考えるうえで、人間の幸福や人間にとっての善とは何であるかという問いも重要である。さらには、人間がいかに認識し、理解するか、人間と人間の関係の考察も必要になってくる。要するに、教育学は総合科学である。教育ということに心を向けつつ、さまざまの学問分野に心を開いておくことが、教育についてのより深い洞察を可能にするであろう。

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