数学教育学
担当教員
教授 清水 美憲 SHIMIZU Yoshinori
教授 礒田 正美 ISODA Masami
准教授 蒔苗 直道 MAKINAE Naomichi
准教授 小松 孝太郎 KOMATSU Kotaro
沿革
数学教育学研究室は、東京文理科大学及び東京高等師範学校の諸先生のご尽力を経て、東京教育大学教育学研究科において理数科教育講座として、昭和28年に開設されました。東京教育大学から筑波大学への移転に際して、教科教育分野の強化が図られ、現在の数学教育学へ独立しました。これまで、和田義信先生、古藤怜先生、三輪辰郎先生、能田伸彦先生、清水静海先生、石田淳一先生がご尽力なされ、現在、博士後期課程は、清水美憲、礒田正美、蒔苗直道、小松孝太郎の4名の教員で構成されています。研究室には、博士後期課程の院生が6名、博士前期課程教育基礎科学サブプログラムの院生が2名、在籍しています。そして、例年、次世代学校教育創成サブプログラム数学教育領域の院生や研究生を加え、総勢30名以上で研究に取り組んでいます。
筑波大学数学教育研究室のホームページもご覧ください。
所属院生とその研究テーマ
- 後期3年:栗原 和弘 学校数学における代数的構造の学習指導に関する研究
- 後期3年:村田 翔吾 数学的探究における定義活動の促進に関する研究
- 後期3年:細田 幸希 学校数学における統計的モデリングの学習指導に関する研究
- 後期3年:康 孝民 算数科の校内授業研究会を通した教師の成長過程に関する研究
- 後期3年:木村 百合子 ジェンダー化された数学観の変容を促す方法に関する研究
- 後期1年:山口 夏実 算数・数学科授業における言語の特性に関する研究
- 前期2年:劉 華晶 数学科授業課程における指導としての評価に関する研究-非言語的コミュニケーションとしての態度の記述対象化-
- 前期2年:王 培鑫 算数科プログラミング活動における数学的な考え方の育成
博士学位取得者
- 能田 伸彦 学校数学における‘Open-Approach’による指導の研究(1982年、論文博士)
- 杉山 吉茂 数学教育における公理的方法の役割(1985年、論文博士)
- 清水 克彦 数学教育におけるProcess-Oriented Learningの研究(1987年、課程博士)
- 杜 威 学校数学における文字式の学習に関する研究:認知過程モデルの提案と実証(1989年、課程博士)
- 伊藤 説朗 数学教育における構成的方法に関する研究(1992年、論文博士)
- 奥 招 昭和10年代にみる算数科の成立過程に関する研究(1994年、論文博士)
- 宮崎 樹夫 学校数学における証明に関する研究:証明に至る段階に説明の水準を設定することを通して(1995年、課程博士)
- 松尾 七重 学校数学における図形の概念形成に関する研究:図形の概念の包摂関係を視点として(1998年、課程博士)
- Inprasitha Maitoree Students’ Emotional Experience during Mathematical Problem Solving(2000年、課程博士)
- 大谷 実 学校数学の一斉授業における数学的活動の社会的構成(2000年、論文博士)
- 藤井 斉亮 学校数学における「文字の式」の理解に関する研究(2000年、論文博士)
- 江森 英世 数学学習におけるコミュニケーション連鎖の研究(2003年、論文博士)
- 清水 美憲 数学学習における「メタ思考」の機能とその促進に関する研究(2006年、論文博士)
- 増田 有紀 角に関する学習上の困難点の特定とその解消の方法:学校数学における角の学習指導の改善に向けて(2011年、課程博士)
- 小松 孝太郎 数学的探究における操作的証明の活用の促進に関する研究(2012年、課程博士)
- 平林 真伊 学校数学における数学的モデル化能力の育成に関する研究:初等教育段階に焦点を当てて(2017年、課程博士)
- 辻山 洋介 学校数学における証明活動の方法に関する研究:argumentationを視点として(2018年、論文博士)
- 花園 隼人 数学的対象の美的性質の感得を促進する方法に関する研究(2022年、論文博士)
在学生の声
私たち数学教育学研究室の院生は、数学教育をより良くしたいという想いをもって,各々の関心のある分野で解決するべき課題を見つけ、その課題を解決するために研究を進めています。週に一度のセミナーで先生方に指導をいただいたり、院生同士で互いに意見を出し合ったり,時にOB・OGの方々から意見をいただいたりすることで、自分では気付かなかった新たな視点を得ることができます。学内でも教育学学位プログラム全体で研究発表を行う場がありますので、数学教育学以外の先生方からも指導をいただく機会があります。さらに、国内や国際的な学会や懇親会に参加することで、国内外の研究者たちと交流し、最新の研究動向や新たな知見を広げることもできます。研究が進むと、その成果を学会で発表します。そうしたことを積み上げていくなかで,研究者としての能力を鍛えていきます。一筋縄で進むことはなかなかありません。大変な思いをすることも多いですが、自分の研究が少しでも現場の先生方の役に立ったり、子どもたちが算数・数学を好きになったりしたら、という想いで取り組んでいます。数学教育をより良くしたいという想いがある方は、ぜひ一緒に研究しましょう。お待ちしております。(木村百合子、博士後期課程3年)
OB・OGの声
「数学教育学研究者を志すみなさんへ」
今日、数学教育学は国際的な研究領域として成長しています。一方、教育現場には、数学嫌いなど、未解決な諸問題が残されています。こうした諸問題を乗り越えていくためには、皆さんのエネルギーが必要です。学校教育学専攻(現組織:博士後期課程教育学学位プログラム)では,博士号の取得に向けて研究者としての基礎を培うことができます。これまでにも多くの研究者を輩出し、それぞれが大学や研究機関で先導的な役割を担っています。あなたも,私たちの「仲間」になりませんか。(宮崎樹夫、信州大学教授)