生涯学習・社会教育学
担当教員
准教授 上田 孝典 うえだ たかのり UEDA Takanori
専門研究領域の沿革と概要
生涯学習・社会教育学研究室は,東京教育大学社会教育講座を前身としています。平沢薫先生,辻功先生,山本恒夫先生,手打明敏先生を歴代の教授として現在に至っています。東京教育大学時代以来の実証研究の伝統を継承・発展させながら,おもに学校教育以外の社会教育・生涯学習に関する量的・質的な調査研究,歴史研究,比較研究を行っています。また国内外での研究交流や各地へのフィールドワークを通じて,多様化する現代的課題について視野を広げ,現場から学ぶことを重視しています。さらに研究室には日本公民館学会の事務局がおかれるなど,この分野における日本の学界にも貢献しています。
所属院生とテーマ
氏名(学年) | 研究テーマ |
石川 敬史(博士後期3年) | 戦後日本の移動図書館の成立に関する研究 |
橋田 慈子(博士後期3年)個人ページ | 障害をめぐる問題に取り組む主体の形成過程に関する研究 |
武田 直樹(博士後期1年)個人ページ | 大学教育におけるサービスラーニングがまちづくりに及ぼす影響に関する研究 |
楊 航(博士後期1年) | 学校における「性の多様性」教育に関する研究 ―当事者性の視点から― |
正木 僚(博士前期2年) | セクシュアル・マイノリティのAlly像に関する研究 |
SHEN MINGMING(博士前期1年) | 地域における住民の主体形成を促す教育について |
張 鼎甲(博士前期1年) | 中国における高齢者への情報リテラシー教育に関する研究 -上海老年大学における「情報リテラシー」類コースを事例に― |
研究室活動の特色
研究室では週2回の大学院ゼミナールを行っています。最新の研究成果による論文や文献を購読するもの(院ゼミ)と各自の研究について発表・検討するもの(総合指導)です。アットホームでありながらも,討議は真剣かつ活発であり,時間を延長して数時間に及びことも少なくありません。院生の研究テーマや問題関心はそれぞれ異なりますが,幅広いテーマについて全員で討議を重ねることで全体の共通理解を図り,共同で学んでいます。院生同士が刺激しあいながらも支えあって研究活動に取り組んでいます。
また隔週で「地域と教育研究会」を主宰し,学類生が中心となりながら院生と合同で学んでいます。各自の研究テーマについて発表したり,共通のテーマについて学習したり,長期の休暇を利用してフィールドワークや合宿を行っています。近年では,茨城県大子町のさはら小学校と継続的に連携事業を実施しているほか,千葉県,和歌山県,鹿児島県,秋田県の各地を訪問しました。
卒業生の進路
大学院の修了生は,全国の高等教育機関で社会教育・生涯学習の教育・研究を行っているほか,全国の自治体で社会教育主事や公民館主事など社会教育職員として働いています。留学生の中には母国の大学で教鞭をとっている人もいます。そのほかにも、民間企業や公務員として、多くの人が活躍しています。
研究室の卒業生の同窓会として「茗渓社会教育研究会」があります。毎年2月頃に「新春の集い」として研究会を開催しています。東京教育大学の卒業生から近年の卒業生まで,一堂に会する機会になっています。
『茗渓社会教育研究』(研究室紀要)
研究室では,2010年に『茗渓社会教育研究』を創刊しました。1年間の研究室の活動を記録するほか,「地域と教育」研究会の活動報告,「新春の集い」の記録やOB/OGによる研究論文など,充実した内容で編集しています。
書誌情報:https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024406526-00