教育学学位プログラム(後期)

研究室紹介

理科教育学

理科教育学

担当教員

山本 容子 やまもと ようこ YAMAMOTO Yoko
遠藤 優介 えんどう ゆうすけ ENDO Yusuke

専門研究領域の沿革

理科教育学研究室は、東京教育大学大学院時代には理数科教育講座に属していた。筑波大学開学とともに、理数科教育講座は、数学教育学と理科教育学の各分野に独立した。理科教育学分野は、博士課程教育学研究科教育学専攻に属していたが、その後教育学研究科が二専攻になり、学校教育学専攻に属した。平成13年度から教育学研究科が人間総合科学研究科に統合再編され、理科教育学領域は学校教育学専攻に属した。そして、令和2年度から教育学学位プログラムに移行し、現在に至っている。本研究領域は、日本最古の師範学校の流れを汲み、東京教育大学時代以来一貫して、日本の理科教育学研究の拠点の一つとして多くの有為な人材を輩出してきている。

在校生とその研究テーマ

・3年:松本(髙間)智子、「高等学校理科における探究活動に関する研究」
・2年:峯田一平、「理科教育におけるデータの収集に関する研究」
・1年:志賀優、「高校生物における概念理解の促進に関する研究」

入学者出身大学と勤務先

(1) 入学者出身大学:新潟大学教育学部、秋田大学教育学部、長岡技術科学大学工学部、福島大学教育学部、茨城大学(教育学部、理学部)、筑波大学(旧農林学類、旧自然学類、物理学類、生物学類、生物資源学類、教育学類)、千葉大学教育学部、埼玉大学教育学部、東京学芸大学教育学部、東京大学理学部、東京水産大学、青山学院大学理学部、ソウル教育大学、ソウル大学師範大学院、日本女子大学理学部、名城大学理工学部、他。

(2) 勤務先・職:山形大学(教授、准教授、講師)、宮城学院女子大学准教授、茨城大学准教授、筑波大学(准教授、助教)、常磐大学准教授、宇都宮大学教授、千葉大学(教授、助教)、東邦大学教授、日本体育大学教授、静岡大学(教授、准教授、助教)、鳥取大学准教授、鹿児島大学准教授、他。

博士学位取得者

(1) 課程博士(課程博士規準)

氏名

研究テーマ

取得年

指導教員

韓仁玉

韓国の中学校化学カリキュラムに関する研究

1993

能田伸彦

丹沢哲郎

アメリカのBSCSカリキュラムの変遷過程の研究
―STSカリキュラムにおける科学的リテラシー概念を基礎にして―

1996

能田伸彦

山本容子

生物教育における環境倫理の視点を導入した環境教育の研究
―ディープ・エコロジーの視点を中心として―

2013

大髙泉

遠藤優介

ドイツにおける科学教育改革に関する研究
―コンピテンシー指向の化学教育を中心として―

2017

大髙泉


(2) 論文博士

氏名

研究テーマ

取得年

指導教員

高野恒雄

理科における観察の機能に関する実験的研究

1985

長谷川栄

大髙泉

ヴァーゲンシャイン科学教育論研究
―範例的・発生的科学教授論の特質と重点移行―

1997

長谷川栄

片平克弘

粒子理論の教授学習過程の構成と展開に関する研究
―構成主義に基づく理科教授の構想と実践―

2012

大髙泉

稲田結美

理科教育における女子の学習促進のための授業構成に関する研究

2014

大髙泉

郡司賀透

戦後日本の高等学校化学教科書における化学工業教材の変遷に関する研究

2017

大髙泉

内ノ倉真吾

理科教育におけるアナロジーによる教授ストラテジーの研究
―中学生・高校生のアナロジーの使用特性に着目して―

2021

片平克弘

畑中敏伸

国際教育協力における理科の探究授業についての授業研究プログラムの構築と実践
―東南アジアにおけるフィールド調査に基づいて―

2021

片平克弘


在校生の声

理科教育学研究室では、教育実践の場で直面する現実的な課題解決にとどまらず、理科教育学の学問領域に包含される普遍的・本質的な問題について探究することを目指し、院生が各自独立した研究テーマを設定し研究に取り組んでいます。

各々の研究テーマについて議論するゼミや日々の研究室での生活を通して、新たな研究の切り口を得るとともに思索を深めることができます。先生方からは、研究の核心を見つめ直すための丁寧な指導をいただき、理科ひいては教育学に関する様々な見識を深め、自らの問いと対峙することができます。系統的かつ豊富に所蔵された学術資料を素地に、最新の国際的な知見をも取り入れつつ学究的姿勢で研究を進めることができるのは、長い歴史と伝統に基づく理科教育学研究室の第一の特質だと思います。

筑波の自然豊かで静かに学問に向き合える環境のもと、充実した研究生活が実現していることに感謝し、自立した研究者としての基盤をつくり、理科教育学を究める諸先輩方に続けるよう努力します。(松本(髙間)智子、3年)

OB・OGの声

博士課程進学時に東京教育大から筑波大に移った。あの頃はひどい環境であった。自然環境も人為環境もである。筑波大学内で3度も研究室の引越しがあった。それが今はどうだろう。緑と水に恵まれた広大なキャンパスだけでも、若者が勉学にいそしむに相応しい。そして筑波大の良さは、何よりも文献資料の豊富さ、第一級の指導陣、教育学全体の相互交流などが指摘できる。私が、多少なりとも教育学全体を知っていると自負できるのも、こうした筑波大の特色のおかげである。「教育 大変な時代」に、ひたむきな情熱を教育学研究に傾けようとする青年に対して、心からなるエールを送りたい。(鶴岡義彦、千葉大学名誉教授)

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