教育学学位プログラム(後期)

研究室紹介

比較・国際教育学

比較・国際教育学

担当教員

准教授 タスタンベコワ・クアニシ TASTANBEKOVA Kuanysh
助 教 菊地 かおり(きくち かおり)KIKUCHI Kaori

専門研究領域の沿革と概要

比較・国際教育学研究室は、1988年に開設されました。比較・国際教育学は、国際化・グローバル化といった時代の変化を受けて、近年ますます関心が高まっている教育分野です。人間総合科学学術院人間総合科学研究群教育学学位プログラム(博士後期課程)、同プログラム教育基礎科学サブプログラム(博士前期課程)の一専門領域となっています。

東京学芸大学・千葉大学・名古屋大学・金沢大学・大阪教育大学・高知県立大学・山梨県立大学・鹿児島県立短期大学・文教大学・京都外国語大学・白鷗大学など、多くの研究機関に研究者を送り出しています。

所属院生とテーマ

院生氏名

研究テーマ

福嶋 將人(博士後期1年)

国際バカロレア修了者の日本の大学進学における課題―大学教育に対する満足度と要因


研究室活動の特色

関連する学会等として、日本比較教育学会、アジア比較教育学会、世界比較教育学会、異文化間教育学会、日本国際理解教育学会、国際開発学会、日本教育学会、日本教育制度学会、教育計画学会、第三世界の教育研究会、ロシア・ソビエト教育研究会(NIKORS)、Comparative and International Education Society(CIES)等があります。

また、国際理解教育、異文化間教育、シティズンシップ教育、インクルーシブ教育、多文化教育、国際教育協力など多様なテーマのもと、グローバルな視点で研究を進めています。本研究室の研究活動の柱は、以下の3つです。

  1. 現地調査への積極的な取り組み:フィールド調査を実施し、当該国・地域の教育動向を把握し、実証的研究を進める。
  2. 教育の国際化・グローバル化への対応:内なる国際化の進展とともに、国際理解教育、留学生教育、帰国・外国人児童生徒等に関する研究の重要性が増している。異文化間教育・多文化教育の視点から、これらの教育研究を進める。
  3. 教育を通じた国際貢献:途上国への国際貢献が重視されている。学内外の研究者とともに、教育を通じた国際貢献のあり方を模索する。

これまで多くの留学生(タイ・中国・ロシア・カザフスタン等)を迎え入れてきたことも本研究室の特徴です。

近年では科学研究費補助金による研究プロジェクトが進められました。

  • 科学研究費補助金「多言語教育政策の意義と限界—中央アジア諸国のグローバル化対応にみる葛藤」
    (若手研究、2018年度~2022年度、研究代表者:タスタンベコワ・クアニシ)

本研究では、ソ連解体に伴い独立した中央アジア5カ国(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタンとトルクメニスタン)における少数民族の母語教育、国家語教育と外国語教育をエスニックアイデンティティ、国民統合とグローバル化対応という三つの視点から分析し、多言語教育政策の理念と実態の乖離を明らかにすることを目的としています。

        • 科学研究費補助金「国際化・グローバル化に対応した後期中等教育政策の論理と展開」
          (基盤研究(C)、2018年度~2022年度、研究代表者:菊地かおり)

        本研究は、1980年代後半からの国際化対応の教育政策と、2010年代に入ってからの「グローバル人材」の育成に向けた教育政策に着目し、その理念の変遷と政策の具体化のプロセスを検証することを目的としています。

        過去の研究プロジェクト

        • 科学研究費補助金「ロシア及びCIS諸国における教育改革と教師教育の現代化に関する総合的調査研究」
          (基盤研究(B)、2015年度~2017年度、研究代表者:嶺井明子)

        本研究は、1991年のソ連解体以降のロシアとCIS諸国における新自由主義教育の動向を追究し、ソ連時代の教育制度・政策の継承面と連続面を明らかにすることを目的としました。研究の成果の一部は『現代ロシアの教育改革―伝統と革新の<光>を求めて』(東信堂、2021年)にまとめられました。

        • 科学研究費補助金「ポストソ連時代における中央アジア諸国の教育戦略に関する総合的比較研究」
          (基盤研究(B)、2008年度~2010年度、研究代表者:嶺井明子)

        研究成果として『中央アジアの教育とグローバリズム』(東信堂、2012年)を刊行しました。

        • 科学研究費補助金「南南教育協力の必要性と可能性―環インド洋地域協力に留意してー」
          (基盤研究(A)、2007年度~2009年度、研究代表者:佐藤眞理子)

        教育開発援助の新たな潮流であるアジア及びアフリカの南南教育協力、加えてアメリカ、スウェーデンなどの援助供与国がどのような南南教育協力を行っているのかを研究対象としました。

        • 科学研究費補助金「価値多元化社会におけるシティズンシップ教育の構築に関する国際的比較研究」
          (基盤研究(B)、2005年度~2007年度、研究代表者:嶺井明子)

        研究室のOB・OGによる、初めての共同研究の試みとなりました。国内の学会だけでなく、世界比較教育学会(於:サラエボ)においても研究成果を発表しました。また、嶺井明子編著(2007)『世界のシティズンシップ教育―グローバル時代の国民/市民形成』東信堂を刊行しました。2012年には中国でも翻訳刊行されました。

        学生へのアピール

        フィールド調査に基づく研究が多いので、そのために英語をはじめとしてそれ以外の言語にも、ぜひ挑戦してください。きっと新しい教育研究の世界が開けます。特に、担当教員が有する国際的なネットワーク(ロシア、中央アジア諸国をはじめとする旧ソ連諸国、EU、アフリカ、東南アジアの教育・研究機関、国際機関、NPO等)を活用したフィールドワークの可能性が本研究室の強みであり、魅力です。

        在籍する院生は、多様な学問的バックグラウンドを持ち、教育学のみならずさまざまな視点から、それぞれの研究テーマや今日の教育事象にアプローチしています。多くの知的刺激のなかで、わたしたちとともに学びませんか。

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