国際教育サブプログラム

2020年度より、教育学学位プログラム（前期）国際教育サブプログラムがスタートしました。国際教育サブプログラムは、国際教育に関する研究と学習を行い、修士の学位を取得するとともに、国際バカロレア教員資格（IB educator certificates）を取得できるサブプログラムです。さらに、所定の単位を修得すれば、専修免許状を取得することもできます。

もともと、本学では、教育に対するグローバルな社会的要請に応えるべく、2017年度に教育学（国際教育）修士プログラムが開設されました。幸い、学生たちの努力により、国内外の教育界に修了生が巣立っており、その多くは国際バカロレア教育を初め、国際教育分野で活躍しています。この教育学（国際教育）修士プログラムが、2020年度の筑波大学大学院の学位プログラム制への移行に伴い、国際教育サブプログラムに組織改編されたのです。国際教育サブプログラムは、教育学学位プログラムを構成する教育組織として、より豊かで幅広い学びを実現します。このような学びの場から、斬新で柔軟なアイデアや新しい研究のアプローチが出てくることを期待します。

国際教育サブプログラムでは、教育における新しい理論と実践を理解し、国際教育に関する諸課題を研究する能力を修得することを通して、国際的視野をもった探究者を育成することを目的とします。また、国際バカロレアを含む国際的な教育プログラムの教授法、カリキュラム、アセスメントについて学ぶことができます。本サブプログラムでは、国際教育の分野を牽引する教員及び研究者として、またグローバル化する社会におけるリーダーとして幅広く活躍できる人材を育成します。

国際教育サブプログラムでは異なる価値観や多様性を尊重し、思考を深めることを志向する学生を求めます。とくに、教育における新しい理論を主体的に追究し、国際教育の分野に貢献しようとする熱意を有する学生の入学を期待します。国際教育の理論・政策・実践をめぐる諸課題、国際バカロレア教育の実践とその在り方について、国際的視野を持ちながら、共に研究・学習できることを願っています。

教育学学位プログラム（前期）
国際教育サブプログラムリーダー
藤田　晃之

国際教育サブプログラムにはいくつかの特色があります。

第一の特色は、国際教育分野の研究・学習を行うとともに、国際バカロレア教員資格を取得できることです。国際バカロレア教員資格の取得によって、修了後の進路や仕事の幅は大きく広がるはずです。

第二の特色は、プログラムに在籍する学生の国籍や経験が多様で、協働での学習を通じて国際性を養うことができる点です。本学の留学生との交流や海外における調査も可能です。教授言語が英語の授業もあるため、日本国内にいながら、日々の取り組みを通じて英語の運用能力を伸ばすこともできます。

第三の特色は、教育学学位プログラムの豊富な授業科目の中から、専門的な学びをさらに広げられる点です。国際教育サブプログラムの科目を中心に履修することはもちろんですが、近接のサブプログラムの科目も可能な範囲で履修できます。「せっかく大学院に入学したのだから、国際教育だけではなく、教育学の理論や教科教育学の授業も履修したい」という声をよく聞きますが、本学ではそれが可能です。

第四の特色は、修士論文の作成に向けて、研究が重視されている点です。高度な研究力の習得に向けて、ゼミ、研究会、個人指導、発表会（指導会）などの場を通して、学生は日々努力しています。高度な研究力の習得は、国際バカロレア教育を実践する際に大きく役立つと思います。国際バカロレア教育は探究学習や研究的な思考法を重視しているからです。学生の希望があれば、指導教員の指導と助言を得て、研究成果を学会で発表し、論文などにまとめることも可能です。教員は研究の初歩から助言しますので、ぜひ取り組んでください。

第五の特色は、教育の諸現象を見るための視点や枠組みをもって、国際バカロレア認定校を初めとした学校現場での様々な実践について学ぶ機会があることです。研究力を実践力と結合し、修了後に教育界に貢献できるように、国際バカロレア認定校を初め、学校現場の実際を理解できるようになっています。国際バカロレア教育の実践や授業の様子が豊かで魅力的であることは言うまでもありません。つまり、本サブプログラムでは、学校現場や授業の実際を知り、柔軟な思考をもって、学習を進められる環境になっています。

第六の特色は、博士後期課程との接続です。修士の学位を取得後、教育学学位プログラムの後期課程に進み、博士（教育学）の学位を取得する道が開かれています。国際バカロレア教員資格を取得できるサブプログラムとして、教育学学位プログラム（後期）に接続していることは、教育学の本質を理解し、理論的裏付けのある実践力を高めるために、とても良い環境です。